0708→0709

腹痛と吐き気。たいへんつらい。天気予報があまり当たらず、洗濯物と太陽のテンポが合わない。


07月08日。お昼すぎのタイミングで打合せの予定が1件あって、打合せの相手は学生さんだったのだけれど、顔を合わせた瞬間にものすごくラフに「ききました?」と質問されて「なにを?」と聞き返すと「あべさんがうたれたって」とのことで「あべさん」=「安倍晋三元首相」だとわからずにぽかんとしてしまった。「うたれたって」のところも何かの比喩だと思ったし「銃で撃たれたそうだ」と説明されても想像ができなかった。2021年1月にアメリカで議事堂が襲撃されたときも「映画のようだ、こんなことがあるだなんて」と思っていたが、今回も「映画のようだ」とまず思った。(真っ先に思い出したのは『KCIA 南山の部長たち』だった。)

会った目的は打合せだったので、そのあと黙々と話と考えを打ち合わせて、「もうちょっと雑談したいんだけどな」と思いながら、でも時間の都合もあったので解散した。少しだけお互い考えていることを話したが「銃を手にして実行する人が隣にいるかもしれないと思うと怖い、殺意が怖い」という相手の言葉が印象に残った。銃だけが暴力ではない。殺意はわかりやすく銃や刃物の形をしているときもあるが、そうじゃないときもある。

 

身内の右手の握力がほぼゼロになり、左手の握力は7kg。もう重いものは持てない。選挙のとき筆記用具を握れるのか?と訊くと「握れる」と言う。練習をした、と。まあ最悪わたしが代筆すればいいのかなと考えながら身内を車に乗せ、期日前投票の会場へ行く途中にスマホで調べたら「付き添い(親族でも)による代筆は不可、係員に申し出れば代筆、補助してもらえる」とわかった。初めて知った。最近、初めて知ることがあまりにも多い。わたしはあまりにもものを知らない。知らないままで、たまたま生きて来られただけ。


みんなの未来を選ぶためのチェックリスト-参議院選挙2022-を活用しました。とてもわかりやすいサイトだった。ありがとうございます。

 

0706

仕事がざわざわしている。「やったことない」やつをやってみるが、やったことがないので五里霧中すぎて躓いてようやく「足元に障害物があったのだな」とわかる。
出来ないことが出来るようになる喜びと達成感に、すぐに飛びついてしまう。観察し仮設を立て試してみて結果を振り返り総括する、というようなことはしない俄然お手本のような「やったらやりっぱなし」野郎なわたしは霧の中を無鉄砲に突き進んでいて、後から来る人のためにしるしを置くことも道をつくることもできていない。その点についてとてつもなく後ろめたい気持ちになるときがある。持続可能、を目にするとどきどきしてしまう。持続が何よりも苦手。続けていく、続けられるシステムをつくること。

『代わりに読む人』の創刊準備号がきっかけで後藤明生作品を読み始めた。なぜいままで読んでいなかったのか。おもしろい。
 

0703

昨日、モーニングが楽しみと日記に書いていたのに朝食の写真を撮り忘れた。自分の食事に強い関心が無いのかもしれない。何を食べたいのか考えるのが億劫でずっと同じものを食べ続けてしまう。(誰かと食事をするのは好きなのに。)

朝食はソーセージとベーコンと、卵とパンケーキだった。川をながめながら食べた。食後に少し散歩をして、チェックアウトをした。昨晩はホテルの一室でライブだったので、カウンターのスタッフさんに「ライブはどうでしたか?」と訊かれ「とても良かったです」としか返せなかった。とても良かったです。ホテルも素敵な場所だった。また泊まりたい。


頼まれた文章を書いている。書いているというか組み立てては崩して組み立てては崩してを繰り返している。パーツを積み上げている最中に「これはそもそも土台のかたちが良くないのでは」となって、はじめからやり直す。

「思う」と「考える」と「感じる」の使い方がうまくいかないときがある。『全身が青春』で大前粟生さんが空を見た際に思い出されたことを「思う、というか、感じている。」と書いていて、”「思う」という文を書くことでそう思っているわけで、実際に空を見ていたときにどういう言葉が自分のなかにかったのか、わからない。” 

 感情もなにもかも時間が経ってから立体的になる場合もあるが、そのかたちが本当にわたしがその時に感じていた「かたち」をしているかどうかよくわからずおっかなびっくり持ち上げてやすりをかけ形を整えようとして大事なところを削っていやしないかと的はずれなところを撫でてばかりいる感覚。

 

0702

わけあってホテルにいます。とてもいい宿でおちつく。明日のモーニングが楽しみ。今夜はいろいろあったので、また泊まった感想を書きたい。

眼鏡を忘れてしまい何も見えないのだけれど、意外とどうにかなっているし、地下鉄が近いのでたまに下から電車の通過する音が響くけれど全く気にならない。感覚が雑。
ホテルに泊まると最低限のものしか置かれていないミニマムさみたいなものに感心して「自分の部屋もシンプルにしたい」と決意するものの生活は全くシンプルではなくむしろ複雑すぎる現象なのでいつまでたってもわたしの部屋は混沌としている。
  

0701

とても暑い。たすけて。

もう7月になってしまい、つまり今年の半分が終わってしまったということ。

明日はとても楽しみにしているライブ当日なので、興奮している。わたしは行きたいところへ行ける。腕が動き脚が動き自分で移動ができる。身体がどんどん動かなくなっていく身内の様子を近くで見ていて、物理的にも精神的にも経済的にも「自由」で発達した技術を使って遠くまで行ける、行きたいところへ行けるのはむしろ異常なのではとすら思う。
 

0628

こうして日記を書く際、スマホを使っている場合とPCで入力している場合があって、使うツールによってやや文体などなどが違っている気がして面白い。スマホから入力した文章は、テイストが暗い。

新しい小型プロジェクターを買ったので、むかし観た映画にお久しぶりですの挨拶をしてまわろうと思い『ジョーズ』を観た。
鮫が人を襲うシーンよりも、後半に語られる船長の「昔話」(自分が乗っていた軍艦が沈み、救援が来るまで鮫に囲まれた恐怖の数日間、同僚が噛まれ食われた記憶を語る場面)のほうが恐ろしかった。「助けが来るとわかってから、待っている間が最も怖かった」というような台詞もあったかと思う。僅かな希望があると、逆に、むしろ、だからこそ、諦められなくなる。
船に乗った男たちが酒を飲み、途中でハイになって歌い始めるところがよかった。『ライトハウス』を思い出した。