5月のこと

5月が終わるということは、すなわち6月になるということなのですが、おかしいな。このまえ年が明けたところでは。

 

『罪の声』

映画を観るよりも先に原作を読んでいたので、あのボリュームを映画にできるんだろうか…?どうやって…?と思っておりましたが、設定説明を自然に会話や行動、シーンの中に盛り込んでさくさくショートカットしていてギェーッてなりました。脚本は野木さんです。さすが。色々な土地を行き来するけれど、場面の最初にちゃんと「ここは京都!」とわかるように背景に建物などをいれてくれるので「どこにいるのか」もわかりやすかった。

主人公ふたりが「テーラー」と「記者」で、それぞれ「誰かに寄り添う」点で同じであり、とくにそのひとに「ぴったり」のスーツをつくることは、誰かを否定せず、軽く扱わず、存在そのものを尊重することで、それは「子供だから」「女だから」と軽く扱われ人生を奪われ「個」として大事にされなかった弱く小さいものたちをすくいあげる行為と繋がっているように感じた。